Axe Victim

Be Bop Deluxeのファーストアルバム。1974年作。
ハーヴェストより発売されました。

ビル・ネルソンは今まで何枚ものアルバムを作ってきた人です。その中で本作とNothern Dreamsは、明らかに異質なものです。ビルの他のどのアルバムにも似ていないもので、これ一枚で終わった要素です。

この時期のビー・バップ・デラックスは、グラムロック系統のバンドという認識をされていました。裏ジャケットを見ると、メンバーが写っているのですが、まさにグラムロックといった感じのメイクと衣装です。ビルもこんな風貌だった時期があるんだなと思わされます。バンド名やジャケットのインパクトで、当時話題にはなっていたそうです。しかし、ビルにとっては当時も今も、グラムロックバンドとしての見方はあまり気に入っていないようです。とはいえ、思いっきりデヴィッド・ボウイみたいな曲もあるため、ちょっと誤魔化せないところはあるのですが。

ファーストアルバムの時点で、ビルはボーカル作詞作曲演奏をこなす、ワンマンぶりを発揮しています。しかし「Rocket Cathedrals」のみベース担当のロバート・ブライアンが作詞作曲、そしてリードボーカルをとっています。ビー・バップ・デラックスにおいて、ビル以外のメンバーが作詞作曲リードボーカルを行うのは、これが唯一のことです。

本作が発売されたときのメンバーは、ビル・ネルソン(当時はウィリアム・ネルソン)、イアン・パーキン、ロバート・ブライアン、ニコラス・チャタートン・デューの四人でした。しかしこのメンバーは本作限りで終了してしまいます。どうやらメンバーの演奏力に、ビルもレコード会社も不満だったそうです。そして、ビル以外のメンバーは脱退(解雇?)され、紆余曲折を経て「Futurama」「Sunburst Finish」といったアルバムを発表していくのでした。

本作からは「Jet Silver And The Dolls of Venus」が、「Jet Silver」とタイトルが省略されて、シングルとして発売されています。B面も本作からで、「Third Floor Heaven」です。


収録曲

A 1 Axe Victim
  2 Love Is Swift Arrows
  3 Jet Silver And The Dolls of Venus
  4 Third Floor Heaven
  5 Night Creatures
B 6 Rocket Cathedrals
  7 Adventures In A Yorkshire Landscape
  8 Jets At Down
  9 No Trains To Heaven
  10 Darkness (L'Immoraliste)

10曲目「Darkness (L'Immoraliste)」はアンドリュー・パウエル(Andrew Powell)がオーケストラアレンジを担当しているそうです。

日本盤

邦題:「美しき生贄」
1 美しき生贄
2 愛は矢の如く
3 ジェット・シルヴァー
4 あるマドンナの肖像
5 夜にうごめく
6 空間の聖地
7 ヨークシャーの風景
8 朝やけ
9 絶望は死の匂い
10 闇よ、おまえは背徳者

1990年 CD

1990年にハーヴェストから、初CD化されました。
ボーナストラックとして、1977年のライブ音源が三曲収録されています。

Bonus Tracks
11 Piece of Mine
12 Mill Street Junction
13 Adventures In A Yorkshine Landscape

紙ジャケット

2008年に、日本でビー・バップ・デラックスの一連のアルバムが、紙ジャケットとして発売されました。
収録曲は1990年のものと同じ、13曲入りです。
レコード当時の見開きジャケが再現されています。


パーソネル

William Nelson (Bill Nelson) lead guitars, lead vocal, acoustic guitar and grand piano
Ian Parkin rhythm and acoustic guitar (Organ on "Rocket Cathedrals")
Robert Bryan bass guitar, vocal (Lead vocal on "Rocket Cathedrals")
Nicholas Chatterton-Dew drums, and percussions

Produced : Ian Mclintock
Recording in London at : Air London CBS and Audio International Studio
Recording engineers : Steve Nye, Mike Ross, Pete Silver and Rod 'Beaut' Harper
Mixed at : EMI, Abbey Road, Kingsway Recorders and CBS, London
Mix down engineers : John Leckie, Loute Austin, and Mike Ross

Cover painting : John Holmes
Art direction, photography, etc : Mick Rock

Special thanks to Ken and Betty, John Peel, Jenny and Dave, Dave Croker, Nick Mobbs, Colin,
Adrian, Keith and Stewart, and of course, Shirley, June, Liz and Avril.

  • 最終更新:2016-06-11 17:45:58

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